予備校で新生活

「役に立ちそうだな」という記事が見つかったら、びりびりと該当ページを破いてストックしている。 週明けに雑誌を読むという作業は、私にとってすっかり習慣化しているので、これを怠ると一週間を気持ち悪い状態でスタートさせてしまうことになる。
私が雑誌を定期購読で購入しているのは、「情報が自然に入ってくる仕組み」がほしいからだ。 ピル・ゲイツも言っていることだが、定期購読のいいところは雑多な情報が勝手に自分のなかに入ってくることだ。
もし直接書店に行って、キオスクで気がついた際にのみ雑誌を選ぶとなると、どうしても興味のある特集記事が載っている雑誌しか買わなくなる。 つまり情報収集の視野が狭くなる。
定期購読であれば、どんなに興味のない記事でもとりあえずは目を通す。 食わず嫌いがなくなるわけだ。
すると先入観では「読む価値はない」と思っていた記事のなかに、意外な宝が隠されていることを発見することがある。 また自分が手薄としている分野の知識を得るきっかけにもなる。
食わず嫌いがなくなるのだ。 だから私は定期購読によって、情報が自然に入ってくる仕組みをつくっているわけ情報収集ができていれば、先手を打つことができる育離が入ってくる知識獲得のレベルを上げるうえでとても重要なポイントとなる。
情報収集や知識獲得のための行動には、三つのフェーズがある。 それぞれのフェーズを仮に「行動0」「行動」「行動2」と名づけよう。

行動Oというのは、前述した雑誌の定期購読のように、自ら能動的に行動しなくても自然と情報が入ってくる仕組み、状態のことだ。 行動しなくても情報収集ができるから「行動0」というわけだ。
雑誌だけではなく、メールマガジンの定期購読も行動より能動的な行動ということでは、行動2〉行動〉行動Oの順番になる。 行動や行動2をより実のあるものにするためには、日頃から行動0によって、情報が自然に入ってくる仕組みをつくっているかどうかが大きなカギとなる。
たとえばあなたが営業企画部に所属していたとして、上司から「そろそろ今度の東京ビッグサイトでの展示会の企画、考えてくれよ」と言われたとする。 こんなとき、普段行動Oの仕組みをつくっていない人は、いきなり行動からはじめなくてはいけない。
いまさら行動0に戻り情報を手に入れる時間はないからだ。 あなたは大慌てで、ウェブで必要な情報を検索することだろう。
また本当は行動2によって、関連部署や取引先のキーマンに会ってヒアリングをしたいところだが、時間がないなかでは会える人は限られている。 すると収集できる情報や獲得できる知識は、かなり浅く狭く限定されたものとなるわけだ。
普段から行動によって、情報が自然に入ってくる仕組みをつくっている人は、仕事でも先手を打つことができる。 行動0によって、情報を受け入れる間口を大きく広げておけば、「仕事に役立ちそうだぞ」という情報を感度よくつかむことができる。

展示会の運営を担当している部署に所属しているのなら、展示会に少しでも関連する記事はめざとく見つけることだろう。 たとえばあるレポート記事で、自社のウェブサイトと展示会をうまく連動させることで、展示会の来場者数を増やし、商談の成約件数を伸ばすことに成功している事例を読んだとする。
その会社はウェブ上でユーザーに対して事前相談や無料事前登録を実施することで、来場者数や契約件数を伸ばしているのだ。 当然あなたはでっちの会社でも同じことができないかな」と考える。
そこで早速社内のシステム関連の担当者に会って、話を持ちかけてみるだろう。 あるいはウェブでさらに情報を検索してみるはずだ。
つまり行動0によって、日頃から情報収集をしておくことで、行動や行動2へとつながるヒントが、比較的容易に見つかるのだ。 すると先手で行動や行動2を起こせるため、仕込みに時間をかけることができ、得られる情報や知識も広く深いものとなるわけだ。
当然アウトプットも変わってくる。 だから行動や行動2のレベルを深めたいなら、行動Oをおろそかにしてはいけないのである。
知識の基盤レベルがつねに高い人は、知識習得の仕組みができているのだ。 私は先ほど「雑誌の定期購読のいいところは、雑多な情報が勝手に自分のなかに入ってくることだ」と述べた。
ただしいくら雑多な情報が大切だからといっても、ジヤンク情報まで拾う必要はなし、私はさまざまな雑誌を定期購読しているが、購読誌については情報量の多さや鮮度、クオリティという観点から、きちんと精選している。 ストライクゾーンは広めに取らなくてはいけないが、明らかなボール球にまで手を出すことはないのである。
行動(自ら能動的に行動しなくても自然と入ってくる情報)は、行動や行動2、仕事でのアウトプットに結びつくものでなくてはいけないのだ。 アウトプットに結びつけるという点で大切になるのが、行動の質を上げていくことだ。
そのためには、雑誌やメールマガジンの定期購読等によって、自分のところに自然に入ってくる情報にはどんなものがあるかを、定期的に棚卸ししてみる必要がある。 「経済やビジネスに関する幅広い情報」「特定マーケットに関する情報」「主たる顧客の業界に関する情報」「財務や法務といった自分の専門分野に関する情報」というように自分なりにフレームをつくり、そのフレームのなかに「自然に入ってくる情報」を当てはめてみる。
すると「経済やビジネスに関する幅広い情報」はしっかり収集できているが、「顧客の業界に関する情報」がいま一つ充実していないというように、ヌケ・モレや層が薄いところが見えてくるはずだ。 そこで新たに、「顧客の業界に関する情報」が充実した雑誌を定期購読に加えることなどによって、手薄な部分をカバーしていけばいいわけだ。
その一方で、ジヤンク情報についてはばっさりと切り捨てていくべきだ。 特に「これは必要がない」と思ったメールマガジンは、どんどん配信停止にしたほうがいい。

メールチェックがわずらわしくて仕方がないものになってしまう。 そうでないと、ほかに行動Oで付け加えるとすれば、黙っていても有益な情報を自分にもたらしてくれる知人も貴重な存在だ。
「こんな本を読んだ?」とか「この前、00に行ってきたのだけど」といった知人のひと言が、知らなかった話題の書籍や場所、社会現象を知るきっかけとなる。 特に異業界や異分野の知人は大切にしたいものだ。
「情報」を「知識」レベルにまで高めていくには?ところで私はここまで「情報」という言葉を何気なく使ってきたが、そもそも「情の違いは何だろうか。 「情報を収集する」とはいうが、「知識を収集する報」と「知識」る」といわないのはなぜだろうか。
『広辞苑』(岩波書店)で「収集」を調べてみると、次のように書かれている。 収集/あちこちから取り集めること。
(趣味や研究のために、ある品物や資料ないろいろと集めること。 また、その集めたもの。

つまり「収集」とは、外からいろいろと集めてくることをいう。 「情報を収集する」とはいっても「知識を収集する」とはいわないのは、「情報」は自分の外にあるのに対して、「知識」は既に自分のなかにあることを意味している。
「あの人は情報量が多い」というのも、「あの人は知識が豊富」というのも、「たくさんのことを知っている」という点では変わりはない。

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